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便が硬い、コロコロした便が出る、切れ痔になる
便が硬くてなかなか出なかったり、ウサギのようなコロコロとした便が出るなどの症状を経験した人も多いと思います。硬い便は、お腹や気分がすっきりしないだけでなく、無理に排便しようとすることで切れ痔を引き起こすことがあります。主な原因は水分不足が挙げられますが、それ以外にも何らかの疾患の一症状として現れていることもあります。
何かの疾患が原因の場合には適切な治療が必要になりますが、疾患が原因でない場合でも、正確な診断と適切な対応によって、状態を改善することが可能です。気になる症状がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
便が硬い、コロコロした便が出る原因
硬い便が出たり、コロコロとした便が出る原因には、以下のようなケースが考えられます。
水分の摂取不足
水分の摂取量が不足すると、便が硬くなります。
ストレスや生活習慣の乱れ
過度なストレスや不規則な生活サイクル、睡眠不足などの生活習慣の乱れは自律神経のバランスを乱し、腸の機能低下を招きます。腸のはたらきが阻害されると、便が長く腸内に留まることで便の水分が必要以上に吸収され、便が硬くなります。
不溶性食物繊維の過剰な摂取
食物繊維はお腹の調子を整えてくれる栄養素として広く知られていますが、食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、それぞれ便に対する影響が異なります。
水溶性食物繊維の場合は便に潤いを与えるのに対し、不溶性食物繊維は水分を含んで便の量を増加させます。ただし、不溶性食物繊維を摂取し過ぎると、便が硬くなることがあるため、注意が必要です。一般的に、水溶性食物繊維:不溶性食物繊維=1:2の割合で摂ることが理想的と言われています。
運動不足
運動が不足すると、腸への刺激が減少して蠕動運動のはたらきが低下し、便が硬くなります。特に高齢者は運動不足によって便が硬くなる傾向があります。
便が硬くなる原因として考えられる疾患
便が硬くなる原因として考えられる疾患としては、過敏性腸症候群と大腸がんが挙げられます。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群とは、自律神経のバランスが乱れることで、腸の機能が低下した状態の疾患です。主な症状は、腹痛や腹部膨満感に加え、下痢や便秘の症状を引き起こします。症状によって下痢型、便秘型、混合型、分類不能型に分類されますが、このうち便が硬くなるのは便秘型および混合型となります。
便が硬くなる場合の改善方法
過敏性腸症候群や大腸がんなど、便が硬くなる原因が何かの疾患の場合には、それぞれの疾患に対応した治療を行います。原因が特定の疾患ではない場合には、以下のような方法が症状の改善に有効です。
適量・こまめな水分摂取
1日に最低限必要な水分量は、体重1キロ×35mlと言われています。体重50キロの場合であれば1.7l、体重80キロの場合であれば2.8lが目安となります。ただし、その日の気温や運動量、食事から摂る水分量などによって必要な水分量は変動しますので、日頃から水分が不足気味の方は、意識的にこまめな水分補給を心がけましょう。
生活習慣の改善
胃腸のはたらきは自律神経と密接に関わっているため、日頃から十分な睡眠や規則正しい生活リズム、ストレスの軽減などを上手に行なって自律神経を整えることで、症状を改善することができます。
食物繊維をバランスよく摂取
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があり、これらを1:2の割合で摂取するようにすると、便の状態の改善が期待できます。
水溶性食物繊維を含む食品としては、熟れた果物やイモ類、大根、昆布、ワカメ、大豆、大麦、ライ麦などが挙げられます。一方、不溶性食物繊維を含む食品としては、大豆やゴボウ、穀類、豆類、熟れた野菜などが挙げられます。
適度な運動習慣を取り入れる
運動が不足すると、腸への刺激が減少して蠕動運動のはたらきが低下し、便が硬くなります。特に高齢者は運動不足によって便が硬くなる傾向があります。したがって、適度な運動習慣を取り入れることで、腸への刺激が増加し、蠕動運動などのはたらきを促進します。
便が硬くなる場合の検査
便が硬くなる場合の検査としては、まずは問診で症状や食習慣、生活習慣、排便状況・便の状態などを伺いします。その後、レントゲン検査や大腸カメラ検査、血液検査などを行い、総合的に診断します。特に大腸カメラ検査では、極細のスコープで大腸粘膜の状態を直接観察することができるため、隠れている疾患の早期発見・治療に繋がります。また大腸カメラ検査によって病変が発見された際には、必要に応じてそのまま病変組織を採取し、病理検査を行います。
硬い便の症状が改善しない場合は、当院までご相談ください
硬い便の症状が続く場合は、まずは食事習慣や運動習慣、生活リズムなどを見直してみることが大切です。それでも状態が改善しない場合には、何らかの疾患が原因となっている可能性があります。
当院では、薬物療法や生活習慣指導などを行うことで、患者様の症状が改善できるようサポートいたします。気になる症状がある場合は、お気軽に当院までご相談ください。
監修:横浜わたなべ内科・内視鏡クリニック 鶴見院 院長 石部 敦士