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便潜血検査で陽性だった方へ
便潜血検査とは、便に血液が含まれているかどうかを確認する検査です。排便時に便をスティックで採取するだけの簡易的な検査のため、健康診断の際の大腸がん検診として幅広く実施されています。
しかし、検査の意義や検査結果の意味を正しく理解されていない方も多く、便潜血検査が陽性であったのにもかかわらず、適切な精密検査を行わずに自己判断で放置してしまうケースが多く見られます。
肛門から血液が大量に流れ出たり、便器が真っ赤に染まるほどの便が出れば心配する方も多いと思いますが、便潜血検査では目に見えない極微量の血液をも検出するため、陽性反応が出てもそれほど心配もせずに精密検査の機会を逃してしまう場合が多く見受けられます。しかし、中には重篤な疾患が隠れているケースもありますので、便潜血検査が陽性だった場合は、早めにご相談ください。
便潜血陽性の際には考えられる疾患
便潜血検査は、スティックで便を採取して分析し、便の中に微量の血液が混じっていると陽性になります。通常、便潜血検査は2回行います。
便潜血検査で陽性反応が出たということは、大腸からの出血が確認されたことを意味します。中には、大腸がんの全がん病変である大腸ポリープや、大腸がんの可能性もあります。
大腸がんの場合、粘膜から出血を起こしやすいため、便に血液が混じります。しかし、常に出血しているわけではないので、1回の検査では陰性になる可能性もあるため、確率を上げるために2回に分けて検査を行います。そのうち一度でも陽性であれば、腸の中を精密に検査する大腸カメラ検査が必要になります。
また、大腸がんの全がん病変である大腸ポリープでも出血を起こすことがあるため、便潜血検査によって大腸ポリープを発見することもできます。
便潜血検査で陽性になる確率は2~10%程度と報告されています。その後検査陽性の方に大腸カメラ検査を行うと、約40%は異常がありませんでしたが、50%の方に大腸ポリープ、6%の方に早期の大腸がん、4%の方に進行した大腸がんが見つかっています。
このように、便に血液が混じる原因は様々なケースが考えられ、たまたま硬い便で肛門が切れただけかもしれませんが、中には命の危険を伴う重篤な疾患の可能性も十分にあります。現在、大腸がんは早期発見・早期治療を行えば、高確率で完治が期待できる疾患です。したがって、便潜血検査で陽性が出た際には必ず大腸カメラ検査を行い、早期発見・早期治療に繋げていきましょう。
便潜血陽性の場合は専門医へ
上記の通り、便潜血検査で陽性反応が出た場合は、大腸がんや大腸ポリープのサインの可能性があります。これらは緊急性が高い場合もありますので、放置せずに消化器内科を受診してください。当院では、大腸カメラ検査を実施しております。些細なこと結構ですので、お気軽にご相談ください。
よくある質問
便潜血検査を2回行なった結果、1回だけ陽性でした。この場合、大腸カメラ検査を受診した方が良いですか?
はい、ぜひ大腸カメラ検査をぜひ受けてください。大腸がんの場合、粘膜から常に出血しているわけではないため、たまたま採取した便に血液が混入しないこともあります。一度でも陽性が出た場合は再度便潜血検査を実施することが大切です。
便潜血検査と痔には何か関係がありますか?
痔による出血でも便潜血検査は陽性になります。便潜血検査だけでは、どこからの出血なのか、何が原因疾患であるのかは分かりませんので、大腸カメラ検査によって詳しく調べる必要があります。
便潜血検査が陽性だった場合は、緊急性は高いですか?
常に緊急性が伴うわけではありませんが、できるだけ早く医療機関を受診することを推奨します。実際には、大腸がんや大腸ポリープなど重篤な症状でないことがほとんどですが、無症状であっても安心材料にはなりませんのでご注意ください。
監修:横浜わたなべ内科・内視鏡クリニック 鶴見院 院長 石部 敦士